高速道路逆走の現状とリスク
高速道路での逆走は、全国で年間約200件発生し、その約2割が事故に至っています。特に正面衝突事故が多く、死亡事故率は通常の事故の約40倍に達します。2025年4月には栃木県の東北自動車道で逆走車による死亡事故が発生し、社会問題として再注目されています。
参考外部リンク 毎日新聞
参考外部リンク 福島中央テレビ
逆走の発生場所は、インターチェンジ(IC)やジャンクション(JCT)が53%と最も多く、次いで本線やサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)です。原因の約6割は「道間違い」で、ICを過ぎた後のUターンやカーナビの誤認が主な要因です。
参考外部リンク NEXCO西日本
逆走を防ぐための基本対策
道路標識・路面表示の徹底確認
ICやJCTの分岐点には進行方向を示す大型矢印路面標示や高輝度矢印板が設置されています。特に夜間や悪天候時は、路面の反射材を活用した標示に注目しましょう。
誤進入防止の物理的対策
合流部にはラバーポールや分岐柵が設置され、逆方向への進入を物理的にブロック。SA・PAの出口付近では「逆走注意」看板が設置されています。
カーナビと道路情報の照合
カーナビの案内に依存しすぎず、実際の道路標識と照らし合わせることが重要です。特に複雑なJCTでは、事前にルートを確認しておきましょう。
逆走を検知する最新テクノロジー
NEXCO3社は2024年12月から、新たな逆走対策技術を公募しています。
主なテーマは以下の2つです:
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テーマⅣ:道路上のCCTVカメラで逆走車両を検知し、順走車両にも警告する技術
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テーマⅤ:車両自身が逆走を検知し、ドライバーに警告する技術
2025年5月から現場検証を開始し、2026年度末の実用化を目指しています。
参考外部リンク NEXCO東日本
参考外部リンク NEXCO西日本
参考外部リンク NEXCO中日本
実用化済みのシステム例:
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本四高速の逆走検知システム:逆走を検知すると、スピーカーで「逆走です」と警告し、電光表示板と回転灯で周囲に注意喚起。
参考外部リンク 本四高速
逆走車に遭遇した際の対処法
冷静な運転を維持
急ブレーキや急ハンドルは追突事故の原因となります。速度を落とし、左車線に移動して車間距離を確保。
安全な通報方法
同乗者がいる場合は110番または非常電話で通報。運転中は路肩に停車せず、次のSA・PAで連絡しましょう。
逆走車への警告手段
一部区間では逆走検知システムが自動で警告を発します。警告音や表示板に従い、落ち着いて行動してください。
逆走してしまった場合の緊急対応
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即座に停車:ハザードランプを点灯し、ガードレール外側など安全な場所に避難。
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通報と指示待ち:110番または料金所の係員に連絡。Uターンせず、係員の指示に
従いましょう。 -
ETC利用時の注意:逆走後にETCレーンを通ると開閉バーが作動しないため、一般レーンを
利用。
今後の対策とドライバーの心構え
国土交通省は「2029年までに逆走による重大事故ゼロ」を目標に掲げています。今後はAIを活用したリアルタイム検知システムや、自動車メーカーとの連携による車載警告技術の普及が期待されます。
ドライバーは以下の点を意識しましょう:
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定期的な運転能力のセルフチェック(特に高齢ドライバー)
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ルートの事前確認と余裕ある運転スケジュール
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逆走防止アプリの活用(例:NEXCO東日本の「ドラぷら」アプリ)
まとめ
高速道路の逆走は、適切な予防策と冷静な対応で未然に防げるリスクです。最新技術の導入と
ドライバーの意識改革が鍵となります。詳細な対策マニュアルはNEXCO西日本公式サイトや
国土交通省の安全計画で確認できます。
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